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マンガとコスメと甘い物が好き
by yukino-mori
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デイモスという悪魔

なつかしの大好き漫画のひとつ、「悪魔(デイモス)の花嫁」あしべゆうほ著(原作・池田悦子)。
文庫版12巻完結、しかし本編は未完です。

初めて読んだのは多分中学生くらいの時。
「これぞ少女マンガ!」な、華麗で美しい絵、丁寧な筆致、意外なストーリー展開。「面白かった」という印象しか残っていなかったので、文庫版を本屋で見かけた時はつい大人買いをしてしまいました。

これも長期に渡った作品なので、初期と晩期の絵柄は別人のように変わってしまっています。
晩期になると以前の華麗さは薄れ、レディースっぽくなっちゃってるので、作者さんには悪いけど、線も綺麗な初期~中期の頃の方が私は好きです。
ストーリーも、初期は「エコエコアザラク」や「恐怖新聞」のようなオカルト色が強く、デイモスが積極的に恐怖の主体になっていたのですが、だんだんと主役は「人間たち」に移り、デイモスは人間のおろかな欲望に手を貸す(あるいはスイッチを入れる)だけという役回りに変わってきます。それはそれで面白いんだけど、「正義が勝つ」という話ばかりではないのでなんだか切ない。
文庫版で順番をシャッフルしちゃってるのはどうしてなのかなあ…普通に最初から順番に収録してもよさそうなものだけど。

巻末の解説もいちいち興味深いです。
このお作にはメインの女性キャラが二人出てくるのですが、解説を読んだ限りでは女性の解説者は大体「ヴィーナス派」で、美奈子に対しては「あの図太さは信じられない」「ヴィーナスの方に同情する」と厳しい意見が多く、対して男性は美奈子の「処女性」(何者にも犯されない強さ、正しさ、公平さ)を高く評価しているという傾向があるような気がします。

かくいう私も美奈子派です。(そりゃもちろんヴィーナスも可哀想だとは思いますが。)
何ででしょうね~…もし私が美奈子だったら、あんないい男に望まれたら、悪魔だろうが何だろうが一も二もなくついてっちゃいそうなんですが、そうならない彼女に対する憧れのようなものがあるんでしょうか。
デイモスも美奈子が落ちないからこそ愛しちゃったんでしょうし。

デイモスがヴィーナスを取るか美奈子を取るか、その結末はもうどうでもいいかなって感じ。
っていうかどっちにしたって切ない思いが残りそうなんで、ハッピーエンド好きな私としては見たくないような気がします。

・・・・・・

余談ですが、中盤くらいまで登場する脇キャラ「幸江」ちゃんが結構好きでした。
中学~高校?時代の美奈子の友人の、見るからに「脇役!」って感じのお下げ黒髪の女の子なんですが、ベルばらにおけるおりぼん初期のアンドレを思わせる位置づけで、いわゆる「普通の感覚」を持った彼女が画面に現れることで何となくほっとしたものです。
美奈子に関わる人間がのきなみ不幸になっていく中、この子もいつそうなるかとヒヤヒヤしたものですが、幸いそうならないうちにいつの間にか出番がなくなったのでした。
脇役に徹した彼女に万歳。
by yukino-mori | 2009-10-02 20:52 | 漫画・アニメ
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