マンガとコスメと甘い物が好き
by yukino-mori
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羽についての一考察 その1

羽が欲しいと思ったことはありませんか。

もしある日突然背中に羽が生えたらどんな事になるかなあ、とかなり昔妄想しました。
そうしたら高河ゆんの「アーシアン」との出会い。
これは設定が「天使」という事ではありましたが、かなり具体的で面白かったです。(未完が残念。)
同様に、「人型をした万能なコンピュータ(しかも美形)」についてもかなり妄想していたら、永野護「ファイブスター物語」との出会い。
また後年CLUMP「ちょびっツ」とも出会い(これはほとんどまんまでした)、私念力でもあるんかいと思いましたよ。

以下に、ちょこっと妄想話を書いてみました。
人物の性格は、知ってる人は知っている某漫画に似てるかもしれません。
駄文につきあってもいいよと言う方のみ続きをどうぞ。



・・・・・・・

朝目が覚めたら、背中に羽が生えていた。

ベッドの上に散らばる、ニワトリの白い羽根。
目にすると同時に、背中に異様な違和感を感じておそるおそる手を伸ばすと。

----- ・・・
マジですかコレ?
それじゃあこれはニワトリのではなく、私の背中のソレから抜けたものであるらしい。
近頃何故かひどく背中が痒く、昨日なんかは肩甲骨の辺りが赤くなっていて、明日こそは医者に行ってこようと思っていた矢先だった。

羽が欲しいと思ったことはある。子供の頃はもちろん、実は今でも、時々あると便利だろうなあと思うことがある。
でもこうして実際生えてみると、嬉しいどころか呆然とするしかなかった。

「ホントに羽なんだなあ」
勝手知ったる私の部屋に上がりこんできた幼馴染は、私を見るなり驚きの声を上げた。
心底感心しているらしい様子が何故かどうにも腹立たしく、憮然として腕組みをした私の態度にもおかまいなしに、彼は私の周りをうろうろして、羽の細部の観察に余念がない。
じろじろと付け根の辺りを覗きこまれると、何だかいたたまれないような気分になる。
「何ていうか…巨大な鳥?」
「巨大で悪かったな」
ふてくされるが、自分でもそう思うのだからしかたない。

それは、見るからに“実用的な”作りをしていた。
宗教画の天使に見られるような、象徴的な小さく可愛らしい羽ではなく、自力で空に羽ばたく機能を持った、しっかりしたもの。
この大きさの体を持ち上げるためには仕方がないのか、それはたたんだ状態でも頭の上ににゅっと突き出す高さで、先っぽは私が立った状態で地面に付くほど大きい。
つまり、胴体と羽の比率は、鳥のそれとほとんど同じ。

「で、どうするんだ」
一通り眺めつくした彼は、椅子をくるりと回転させて腰を下ろした。
「それはこっちが聞きたい」
大体羽が邪魔で、服が着られない。今はタンクトップを前後逆に着ているが、いつまでもそんな間抜けな格好をしている訳にもいかない。
幸い夏だから良かったようなものの、これが冬だったらどうなるのだ。

先のことを考えていると気が遠くなりそうだから、できるだけ身近な事を考えるようにしよう。
とりあえずは両親に見せなければ。
腰掛けていたベッドから立ち上がった時、ふと凝視する目線に気が付いた。
「…なんだ」
「いや…」
彼はあわてて視線を外したが、すぐにまたチラチラと私を盗み見る。
無理もない、我ながら近年稀に見る珍しい姿をしているのだから。
気にしないようにして、部屋を出ようとドアに手を伸ばした時、彼が真面目な顔で話しかけてきた。

「綺麗だ…」
・・・はぁ?

「たとえおまえに羽が生えても、角が生えても、ナニが生えても、俺の気持ちは変わらな…んがっ!!!」
頭からガコン、という鈍い音を立てて奴は床に転がった。
また始まった!
奴とは幼い頃からのつきあいで、いい奴なのだが、時々こういう軟派な揶揄をする所が許せない。
大体私たちはそういう間柄じゃないだろう!ありえない!
それにあんなクサい台詞を素で吐くような性格だから、彼女イナイ歴十ウン年なんだぞ!

低いうめき声を上げて床にうずくまる奴を冷たく一瞥して、私は部屋を出た。
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by yukino-mori | 2008-06-07 16:10 | ちょこっと話
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