マンガとコスメと甘い物が好き
by yukino-mori
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羽についての一考察 その8

手作りストラップのキット、スイーツバージョンを発見。
ビーズで作る、ロールケーキやイチゴケーキ!すんごい可愛い~!!
誰か作ってくれないかなあ。

羽ばなし、今回ちょっと軽めです。



・・・・・・

「…ここ?」
「うん…もう少し…そう、そこ」
「気持ちいい?」
「ん…」
「どう、俺って上手だろ」
「…自惚れるなよ、下手くそ」
「素直じゃない奴だな。これでどうだ」
「あ…」
「俺もすごく…気持ちいい…」

「ここは学校だぞ~。そういう事は帰ってからにしろ」
小さなノックの後ゆっくりと扉が開き、探るようなからかうような声が聞こえた。振り向くと、そこにはタク先が立っていた。
私の羽を思いがけず目にし、硬直したのがわかる。
「…なんだお前らか。こんな所で何してるんだ」
「羽がかゆいって言うから掻いてやってるんですけど、何か?」
ユウが、私の羽の根元に手を突っ込んだまま答えた。
「そ、そうか、それならいいんだが」
微笑がひきつっている。私は苦笑した。別に無理しなくてもいいのに。
正直、タク先の顔を見ると今でも時々胸がちくんとする。
でも鮮やかだった傷口は次第に癒え、今はもう新しい皮膚が盛り上がってきている感じだ。
こんなに早く回復するとは、我ながら驚きだった。それは、認めたくないがこの幼馴染のおかげなのか。
「あ、もしかして先生、変なコトしてると思ったんでしょう」
ユウはにやっと笑った。
「おとなってやだな」
「な」
軽い復讐のつもりで、私はわざと羽を震わせ、ユウはうっとりとそれに頬を寄せた。こら調子に乗るな。
「そんな事女の子の友達にやってもらえばいいだろう」
羽への恐怖と、指摘された事への動揺を押し隠し、彼はコホンと咳払いして教師口調で言った。
「マリなら、彼氏ととっくに帰ったよ」
性格上、私には同性の友達はそう多くないが、マリという比較的仲のいい女の子がいる。
彼女は私と反対で、女の子らしい可愛い子なのだが、私が羽が生えてごたごたしてる間に、意中の彼氏とくっついてしまった。
今でも仲はいいのだが、そこは友達より彼氏。今日も授業が終わるや、目をハートにして「じゃ、ユウ君、ナオをお願いね~」と言って飛んでってしまった。私は子供か。
「女の友情なんてそんなもんだ」
私は憮然として言った。
「やっぱ男との愛情だろ」
な、と私の顔を覗き込んでにっこり笑う奴を私はキッと睨んだ。
「なんだやっぱりお前ら…」
「違うって!!」
私は全力で否定した。


「羽を洗うシャンプーを替えたんだ。今まで髪用のを使ってたけど何だか勿体ないし、でもボディーソープだとぱさつくし。それで、犬用のにしたんだけど、合わなかったみたいで…」
「い…犬用?あの、ペット用品売り場で売ってるあれか?」
「うん。消臭効果とか手触りが良くなるとか、良さげな事が書いてあったから」
男二人が頭を抱えた。そんなに変かな?
「とにかく、シャンプーを替えなさい。それと、おまえにはマゴの手をプレゼントしよう。男子に羽を掻かせるなんて、将来嫁に行けないぞ」
え~。こいつ上手で気持ちいいのにな。
「ご心配なく。ナオは将来俺んとこに来るんですから…いってぇぇぇ!」
私は思いっきり奴の足を踏んだ。

・・・・・・

「じゃ、気をつけて帰れ。高く飛びすぎて撃たれるなよ」
タク先が教室を出る時、微かに震えているのが分かった。限界だったんだろう。
慣れようとする努力は認めるけど、慣れてくれなくていいよと俺は思った。だってナオは俺のもんだから。
おのれの嫉妬深さにあきれるが、元々ナオはあいつの事を嫌いで諦めた訳じゃない。
もし万が一、あいつの鳥嫌いが克服されてしまったら…。
それまでに彼女の事をしっかり捕まえておかなければ。
自分に自信を持てるようになっておかなければ。
日々努力はしてるんだけどなあ。
でもあまり露骨に迫ると警戒してこんな事させてもらえなくなってしまうだろう。バランスが難しいんだよな。

ほんとに彼女には振り回されっぱなしだ。
彼女以外の人間の事でこんなに一喜一憂する事は、これから先も一生ないだろう。
とにかく、そのうちマゴの手が本当にプレゼントされたか訊いてみなければ。

さっきの彼女の俺との関係の否定っぷりを思い出し、俺はため息をついた。
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by yukino-mori | 2008-07-08 15:41 | ちょこっと話
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